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先日、感ずるところあって、「桜田門外ノ変」という映画を見に行きました。久しぶりに映画館で見ましたが、最新の設備と思われる映画館でしたが、内容の迫真性(歴史ドラマですが)と相まって、なかなか見応えがありました。佐藤純弥という監督は知りませんでしたが、相当な意気込みが感じられる作品で、井伊大老が暗殺される場面も単なる「チャンバラ」ではなく、凄惨な現実性のある凝った「殺陣」となっていました。
ところで、桜田門外の変は、歴史的事実としては安政7(1860)年3月3日(陽暦3月24日)の出来ごと、つまり我々が生まれる70年くらい前の出来事で、われわれの感覚としては、遠い昔の出来事として、単に書物の中で出会う物語という程度で、現実性のあるものではありませんでしたが、考えてみると、我々が生まれる70年くらい前に、今の霞が関のあの辺りで、当時の政府(幕府)の最高幹部の一人(今でいえば、官房長官?)が、言わば一団の過激派に惨殺されるというのは、これは、今では想像を絶する大変なことであったという感じがします。 そのあとに続く一連の内乱(戊辰戦争など)を経て、いわゆる「維新」が達成されたわけですが、今となってみれば、はるか昔の、遠い遠いどこかの国の出来ごとのような気がします。しかし、現実に、この「東京(江戸)」で、あのような大事件が起こったのですから、これからも「絶対に起らない」という保証はどこにもない でしょう。事実、現代世界のセンターとも言うべきニューヨークとワシントンで、あの9.11がおこったのですから。今、東アジアも少しく「きな臭く」なり、「核拡散」の不気味な動きもあって、また何か想像を絶する「大変なこと」が起りそうな予感がしないでもありません。 しかし、そいう「大動乱」のときこそ、各人の「価値観」が試されるときで、われわれも「晩年」になって、また大変な事態に遭遇せざるを得ないかもしれませんが、何事も「運命」と心得て対処するほかないでありましょう。 (前東京工科大学教授、工学博士。アジア学生文化協会会員)
by abkd_asia
| 2010-10-26 23:30
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